酒蔵インタビュー:岐阜県瑞浪の地酒 若葉酒造

若葉酒造The Story of Brewery
若葉酒造

320年以上の歴史が裏付ける岐阜県瑞浪市の老舗酒造若葉

酒蔵の裏手には土岐川(名古屋市内で庄内川となる)の清水が流れ、周囲は平坦な田園地帯に囲まれているとてものどかで心休まる場所で、若葉の酒は320年以上醸されている。現在13代目となる代表兼杜氏の伊藤氏は、瑞浪で収穫される米と潤沢な水で今も酒を造り、伝統を守りながらも時代に合った味を追求し続けている。

純米酒にかける思い

行きついた先は純米酒

おしゃれな丸メガネがトレードマークの13代目。とても気さくでフレンドリーだが、酒造りにはやはり強いこだわりを持っている。約20年くらい前までは新潟から季節労務(出稼ぎ)の蔵人が来て酒を製造をしていたが、平成11年度より13代目自ら蔵元杜氏となり、家族総出で仕込み作業をするという大きな方向転換をした。日々、酒の研究開発を行い、現在は純米系の日本酒に力を入れている。
酒造りに欠かせない米は、現地産米を使用。瑞浪の米を使うことで、町が限界集落になることや耕作放棄地の軽減に貢献できると、地域を盛り上げていくという意識がとても強い。水も、瑞浪の清流である土岐川の水を使う。米との相性は抜群であることは、言うまでもない。

名古屋国税局酒類鑑評会 純米酒の部で優等賞を受賞!

若葉酒造 純米酒

若葉酒造 純米酒

平成30年度には、「純米若葉」が名古屋国税局酒類鑑評会純米酒の部で優等賞を受賞!晩酌に呑んで欲しいという思いで造られた「純米若葉」は、価格もお手頃で日本の家庭料理との相性は抜群。桃色のラベルが13代目の柔らかい人柄と重なり、ほっこりする。女性のファンも多く、日本酒は初心者という方をはじめ多くの人に呑んでいただきたい。

雄町ファンが認めた逸品

純米吟醸若葉 備前雄町

純米吟醸若葉 備前雄町

日本酒好きなら「雄町」がなにかご存じだろう。好適酒造米の「雄町」は好適酒造米の父と呼ばれ、元祖酒米と言われている。雄町は日本全国で栽培はされているが、約9割は岡山県産となる。山田錦や五百万石の種親でもある。「雄町」発祥の地と言われる岡山では、毎年「雄町サミット」が開催されている。日本全国から「雄町」で造られた日本酒の品評会で、JA全農おかやまが主宰をしてる。。雄町は米が軟らかで溶けやすいため、濃醇な味の酒に仕上がるのが特徴。
熱狂的な雄町ファン「オマチスト」の喉をうならせたのがこの酒「若葉 純米吟醸 備前雄町」。冷でも燗でも楽しめるのが特徴。口に含んだ時に米の香りが広がり、飲むと旨味がしっかりと味わえる。この酒を飲んで「旨い!」と思ったあなたは、立派なオマチストであること間違いない。

復刻ラベルは海外市場で大人気

若葉酒造 復刻ラベル

若葉酒造 復刻ラベル

若葉の蔵から突如出てきた、昭和レトロなラベル。金太郎、日本松…なんとも懐かしい。これらの昔のラベルはいつの時代に使われていたのかは定かではないとのこと。ラベルを復刻させることで、話題を作り、他酒造との差柄をさらっと図ってしまうあたり、やはり13代目はやり手である。海外でも、復刻ラベルの評判は上々。日本らしくてわくわくする、という声をよく聞く。いわゆる「ジャケ買い」。これも一つの販売戦略?ラベルがきっかけで、若葉のファンになり、そして日本酒のファンに!地味な一歩だが、着実に世界に日本酒ファンを増やすきっかけを作っているのではないだろうか。

酒と料理は切り離せない

若葉酒造 杉玉の前

若葉酒造 杉玉の前

13代目に若葉の日本酒の特徴を聞くと必ず「毎日の晩酌に飲んでもらいたい。だから食事にあう酒造りをしている」と答えてくれる。若葉の日本酒は、米の味わいやコクがしっかりとあり、香りは口に含んだ時により広がる。そして、キレの良い飲み心地なので食事の邪魔をせず、喉をすっきりとさせてくれる。和食との相性が抜群。岐阜県は海がないのに、魚との相性もすこぶる良い。また、少し味が濃いものや油で調理したものは更に旨味が増し、それでいて口の中を若葉の酒がすっきりさせてくれる。酒と食事が止まらなくなるのは、想像がつくだろう。若葉の日本酒は、「これぞ日本酒!」という感じ。日本酒通には是非飲んでもらいたい。

瑞浪LOVE

若葉酒造 蔵オープン

若葉酒造 蔵オープン

瑞浪愛が止まらない13代目。酒蔵を開放して利き酒会をおこなったり、小室等さんとコンサートをしたり、また地元の小学生を受け入れ日本酒の製造について勉強をしてもらったりと幅広く活動されている。
瑞浪は美濃焼の産地でもあり、多種多様な食器・酒器がとても身近な存在だという。実際に若葉酒造では、美濃焼と日本酒のコラボイベントを開いたりもしている。
13代目が瑞浪の地を深く愛し、先代たちが守ってきた伝統をしっかりと引き継ぎ次へ繋いでいこうとしているのが良く伝わってくる。のどかで美しい田園風景が広がる瑞浪へ是非出かけてみてほしい。

若葉株式会社ホームページ(リンク)